千葉産直だより(ブログ)

「ミニとろイワシ」缶の生産をひかえて(6月下旬~8月ごろ生産目標)

新商品の「オイスターオリーブオイル漬け」「焼き塩さば」缶が、
おかげ様でご好評いただいておりますが、今さらですが、
千葉産直の看板商品は何か、と聞かれれば、間違いなく『とろ青魚』缶詰シリーズと答えます。
その中でも一番は、やはり「ミニとろイワシ」缶です。いわゆる当社の「顔」といえる製品です。

改めて振りかえったら、今年の夏のシーズンで元祖とろイワシ缶の頃から数えると、
なんと29周年目をむかえる年でした。
(30周年前に気付けてよかった笑)

そんなわけで、今回は「ミニとろイワシ」缶の生産シーズンをひかえた前に思うことを書いてみます。
07新ミニとろ背景白

開発当初、元祖とろイワシ缶をはじめて作った、
1986年(当時は受託製造)当時は猫もイワシをまたぐと言われていた程マイワシ豊漁の時代で、
現在の40倍以上も水揚げがあり、原料事情は今とは全く違う世界の話になります。
その後、水揚げの激減や時代背景もあり、2001年に食べ切りタイプとして「ミニとろイワシ」缶が誕生し、
現在にいたっておりますが、生産や販売状況等、厳しい環境も何度もありました。

それでも今年もまた、何とか生産する時期をむかえることができそうです。

気付けば、おかげさまで、とろイワシ缶シリーズは、今夏で29周年目の生産をむかえます。
03買付けた原料を船から移動(銚子水揚げ鰯)

千葉県銚子港の代表的な青魚であるマイワシ。
なかでも梅雨の時期のマイワシは、「入梅(にゅうば)イワシ」と呼ばれ、一番脂が乗って美味しいとされています。
近年は、海水温の変化もあるのか、年によって漁期にバラつきがありますが、
6~8月頃のマイワシは、脂の乗り具合と味のバランスがとれて栄養的にも優れています。

その最も美味しいとされる旬のマイワシだけを、缶詰にして閉じ込めたのが、

千葉産直の「ミニとろイワシ」缶なのです。

例年だと夏をむかえ、マイワシに脂のってくる6月中旬ごろ(年により変動)から、
漁期を見極め、ミニとろイワシの製造チャンスをうかがいます。

もちろん、ただ「水揚げがあれば作れる」程、単純なものではなく、

「鮮度」「脂ののり」「大きさ」を徹底する、

とろイワシ缶は、魚の「品質」や「相場」なども含め、

生産する為の全ての条件が揃わないと製造することが出来ません。

02せり(この見極めが最大のポイント)

そのため、年間通しても、旬のなかの『数日間しか漁期がない年』もある程で、

その一瞬のチャンスを逃すか逃さないかで、その年の生産量と製品の品質が決まります。

ちなみに昨年夏は、異常な暑さが記憶にあると思いますが、
銚子近海の水温も高く、一番ほしいマイワシ最盛期の7月以降に水揚げがピタッと止まってしまい、
地元漁師も「ほうきで掃いちまったように近海に魚がいない」と嘆いた年でもあり、
原料確保に大変苦戦した年でした。

結果として、弊社缶詰を作るための漁期が、「2日間」しかなかったという異常な年でした。

 

自然の海を相手にするということは、そのようなリスクも常にあり、
ある一定以上の魚にこだわり続け、高い品質を求めることは、
年によっては、非常に厳しいリスクをかかえます。

それでも『続ける』ということを一番大切にしていきたいと考えています。

 

今年は今のころ、とろイワシ缶に見合うような脂ののりになる前にマイワシ魚群は、
北上し、沖に散ってしまい、今は次の来遊をやきもきしながらただ待っている状況です。
こればかりは、漁期がやってくることを信じて待つばかりしかありません。

ただ今年も出来うる最善の努力はしていきます。

年間とおして一番良いと判断できる漁期に合わせ、生産する。

皆様には、ぜひ、年ごとの原料の違いもお楽しみいただければ嬉しい限りです。

 

さて、今年も、(ミニ)とろイワシ缶の漁期判断をする時期になってきました。

良い漁期に恵まれますように。

120811実際使用原料と製造当日ミニとろイワシ1